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  • 執筆者の写真Kou's Consulting Report

創業者のビジネスモデル

更新日:2018年4月6日



私が創業希望者者に対する、コンサルティングやアドバイスを行う際にとても気になる事が

有ります。それは

Ⅰ「誰にどのような価値を提供するか」というビジネスモデルの基本が安易

Ⅱ「どのような収益モデルで対価を得るか」という収益化のルートが単一である。

という事になるでしょうか。以下に説明します。


Ⅰについては、正直、多くの創業希望者が勘違いしている。

「これから、これが<はやる>と思うんですけど、、どうでしょうか?」と

正直、そんな事だれだって思いつく。既に駄目になっていたりする。


いつも言うのですが、その昔、アメリカと日本には約10年差があって、東京と宇都宮には約3年差があった。

だから、昔は、東京で<はやっているもの>を追いかければ、宇都宮では時間差で十分収益化する事が出来た。(でも、アメリカではやっているものは早すぎて収益化できなかったのですが)。


しかし今は時間差の収益化は困難です。情報化とは、収益化する前に、世界中の時間差が埋まる事を意味するからです。

だから東京の真似はもう駄目なのです。


話は変わりますが、遠方の人が並べないイベントやグッズを並んで仕入れる。電気店の安売りに朝から並ぶ。それをヤフオク等で転売。良くいらっしゃいます。これは「時間差の収益化」というより、「時間そのものの収益化」です。時間はとても大切な価値なのでこれは安く売らないほうが良い。労働力を安く提供するのも同じです。


生み出す価値から賃金をもらうのではなく、「時間を売っている」と感じたら、新たな展開をお勧めします。


収益の源泉の話に戻ります。

差別化(人と違うこと)が昔から収益の源泉です。それしかない。

ならば、今「はやっている事」や、これから「はやりそうな事」を追いかけるのは時間の無駄です。追いかけるべきなのは、自分の得意な事、自分のやりたい事、自分の好きな事です。それが最も効率も確率も高いです。

もちろん、単純にそれをやれば良いという訳では有りません。


自分の得意な事+(全く違った何か)=差別化


これが、儲けの公式です。好きな事だけでは、差別化出来ない。そこに何かを加える。

人がやっていない、思いもかけないなにかと掛け合わせる。

そこに利益=差別化が待っているのです。

問題はどうやってそれ(全く違った何か)を見つけるかです。


結局それは、自分がやりたい事と併せて、自分が素敵だと思う事をいろいろやり続けるしかないと思います。理屈で考えてどうなるものでは有りません。感性の世界です。

スティーブジョブスの点と点の話をご存知でしょうか?

インスピレーションとは自分が経験した見聞きし、体験した何かと何かが、突然線で結ばれる出来事の事です。


だから、好きな事だけでなく、とにかく初めて出会う興味を持った何かを常に取り入れてゆく。自分で素敵だ、かっこいい、美しいと感じる。そう思うものをとにかく一旦体に入れる。そういう習慣を身に着けるしかないと思います。


そうすれば、いつの日か全く異なる点と点が線で結ばれる時が来るかも知れない。

そういうお話でした。


もう一つ大事な事はⅡです。

差別化したものを提供するにあたって

1.収益性は低いが、手間がかからず安定した収益が見込めるルート(これを例えば6割)

2.収益性はまずまずだが、発注者や経済環境や外部環境に依存するルート(これを3割)

3.収益性は抜群だが、投機性が高く、チャンスがくるのを待つルート(これを1割)

この3つを自分のビジネスの中になるべく組み込んでおく事です。

特に1.のベースになる安定収益です。創業者はいきなり2.や3.のルートで勝負するのではなく、1.が見えてから創業した方が良いと思います。


例えば不動産業で言えば

1.自己物件の家賃収入、賃貸物件の管理ビジネス

2.不動産売買の仲介ビジネス

3.不動産を自分で仕入れ、転売収益を狙う不動産投資ビジネス。


1.苦しい時に稼ぐビジネス~最悪これで食いつなぎ倒産を回避する~

2.通常の上乗せ~この分を上乗せして、数字を作る~

3.波に乗るチャンス~何年に1回しかこないチャンスに投資し、次のステージへジャンプアップする。~


これを上手くやっている不動産業は何とか生き延びてます。


注意すべき3.の投資について話しましょう。

手堅い(投資倍率はそれ程大きくない)が、投資額が大きく、結果としてレバリッジがかかり、収益が大きく見込める投資~これは駄目です。

投資理論からは最もやってはいけない行為です。

簡単に言えば、クイズダービーで「はらたいらに残り全額」みたいなやり方の事(古い)です。


1.や2.でコツコツ稼いだ金をぶっ飛ばすような真似は絶対にしてはいけない。これが基本です。証券アナリストが言うのだから間違いないです。倒産しては元も子もないのです。

万馬券を買うような、①少額で②ロスは大きくなく節税効果程度の範囲でコツコツと③当たればデカい投資をする。そして1度当たったら、しばらく手を引く。

市況が良くても手を引く。これが投資理論上、最も正しい投資です。

そして、儲けは、苦しい時の為にとって置く。


この時、まだまだ市場はいけると思って投資を続けてはいけません。

大抵調子に乗って、固定費を増やし、損益分岐点を上げてしまう。

人間はそんなに賢くない。投資が当たり続けると、自分は投資の天才だと思ってしまう。快感もあるのでしょう。ギャンブル依存症と同じ症状ですね。


投資収益と突然のブームの恐ろしさは、固定費を上げ、知らず知らずの内に収益体質を弱めてしまう事にあるのです。

だから、波が来たと思ったら、小さな投資で、回数をかけても倍率の高い投資にかけ、1度大当たりしたら、しばらくは手を引き、納めるべき税金は納める。そして次の波を待つ。これが正しいです。


規模を大きくする事による効用や歓びはいずれ逓減します。待っているのは自転車創業の苦労だけです。本当に辛いですよ。自転車操業は。


幸せになりたければ、調子に乗ってはいけないです。

投資の天才なんでいません。株価指数インデックス投資に、大半のプロの投資家は、長いスパンで見れば勝てないのですから。


もう一度言います。

銀行が強かったのは、過去に融資した利息が黙っていても入ってくる収益構造だったからです。だから地方銀行は給料を上げ、地元で使い、地元の企業が潤い、自ら給料増加分を回収するモデルが成立させられた。


余計な話ですが、地方を生き延びさせたければ、地方銀行と地方公務員の給料を上げ、不安定な採用方法を止める事です。但し条件として、少し高くても地元企業から買う。全国チェーンからは買わない。高級品も地元で作らせる。これです。

でも、実際に全国で行われたのはこの逆です。そして長いデフレになっていきました。


話を元に戻しましょう。創業者希望者は自分の好きな事、得意な事に+アルファのスパイスまぜて、3つのお金が入ってくる仕組みを作る事を考えて下さい。


当然、私もいつも考えています。

でも、まだ雷に打たれたような+アルファはひらめきません。

アイデアは有ります。でもちょっと何か足らない。


ひらめかないのにお前は何で独立したのかですって?

もちろん、それしか有効な選択肢が無かったからです。


でも、追い込まれて初めて

自分で自分をコントロール出来る状況に置いて初めて

+アルファのひらめきというのは生まれてくるのではないか?

実は、最近そのように感じて来ているのです。





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